
公開日 2012/12/08 108分
このところ停滞気味に感じていたラッセ・ハルストレム監督なのだが、『ギルバート・グレイプ』や『サイダーハウス・ルール』などの"らしさ"を感じさせる爽やかな作品。
コメディっぽい部分はあるものの、本質的には真面目な作品なので、このコメディぶったタイトルはイマイチと思う。
(原題は『SALMON FISHING IN THE YEMEN』)
政治、人種、宗教の問題を少しずつ孕みながら、理解し合うことの美しさが描かれている作品。
エミリー・ブラントの出逢って間もない恋の脆さを見るにつけ、堆積する恋の重さを思い、その対比的にユアン・マクレガーの何年も連れ添った上でのすれ違いも見せる。
ただ、人によるんだろうし、恋の重さと要した時間は正比例しないのは解っているものの、結婚の相手をそんなに容易く、顔さえも忘れ去られるものなのかと思う。
尤も、"その程度"だから、忘れられ、乗り換えられるんだとも思うが。
イエメンで鮭を放流するという突飛もない夢の純粋さはいいが、それを成し遂げることができる特別な財力を思うと少し興ざめもする。
戦場から九死に一生で帰国した者に対してその言い様はないだろうとか、多少の人種偏見で醒めてしまう愛情とか、引っ掛かる部分も幾つかある。
これらも含めて、自分に正直に生きることの素晴らしさを押し出して物語は進むのだが。
別れた(棄てた)彼や妻が可哀想…と思っていては自分の幸せは掴めない。
その部分に共感ができれば、感情移入できると思う。
とはいえ個人的には感情移入はできなかった。
特にエミリー・ブラントの軽さが気に入らなかったし、素直に共感はできなかった。
原題 SALMON FISHING IN THE YEMEN
製作国 イギリス
製作 CBS Films
製作 Kudos Film and Television
配給 ギャガ
監督 ラッセ・ハルストレム1 Lasse Hallstrom
製作 ポール・ウェブスター Paul Webster
製作総指揮 ジェイミー・ローレンソン Jamie Laurenson
製作総指揮 ポーラ・ジャルフォン Paula Jalfon
製作総指揮 ジギー・カマサ Zygi Kamasa
製作総指揮 ガイ・アヴシャロム Guy Avshalom
製作総指揮 スティーヴン・ギャレット Stephen Garrett
原作 ポール・トーデイ Paul Torday
脚本 サイモン・ボーフォイ Simon Beaufoy
撮影 テリー・ステイシー Terry Stacey
プロダクションデザイン マイケル・カーリン Michael Carlin
衣装デザイン ジュリアン・デイ Julian Day
編集 リサ・ガニング Lisa Gunning
音楽 ダリオ・マリアネッリ Dario Marianelli
出演 ユアン・マクレガー Ewan McGregor
出演 エミリー・ブラント Emily Blunt
出演 クリスティン・スコット・トーマス Kristin Scott Thomas
出演 アムール・ワケド Amr Waked
出演 トム・マイソン Tom Mison