
公開日 2010/03/20 109分
結局フラれたのか?そういうものではないのか?
曖昧なラストが妙にヨーロッパ風でいい。
主人公を肯定的に描かない。感情移入もさせない。
メロドラマ仕立てが全盛の昨今ではかえって新鮮に思えてしまう。
大企業の従業員に解雇を宣告するのが、主人公の仕事だ。
人生の岐路に立たせる相手に対して、主人公はあくまで企業の傀儡である。
相手をなだめ、相手の立場に執着することなく、言葉だけで自分自身まで納得させるプロフェッショナルである。
かつては抱いたであろう苦悩は、新任の相棒に描かせて、主人公はその「行き着く先」を示すのだ。
根本的な解決策などない状況で、いかにその場を丸く収めるか、「モチベーションのプロ」と呼ばれる主人公は、結婚にためらう妹の彼氏でさえ、元のサヤに収めてしまう手腕を持つ。
その言葉の数々は、深いように見えて実はそうではない。
面談による通告を主張し、TV会議という手法を拒むのも、一見ヒューマニストに見えて、そうではない。
すべては「マイレージで名を残す」という最終目的に似て、そこに意義があるかどうかは本人の価値観次第。
解雇通告という場面を通して、主人公も含めてその場の人生観を浮かび上がらせる構成はうまい。
主人公の憎めない人物像絡ませて、単にこの薄さを批判する訳でなく、観客に委ねる演出がいい。
価値観や目的を失う側に立たされた主人公の虚しさの余韻が後をひく。
「アジア系は効率的で搭乗手続きが早い」には何となく納得。
監督はアイヴァン・ライトマンの息子なのか。
原題 UP IN THE AIR
製作国 アメリカ
製作 Cold Spring Pictures
製作 DW Studios
配給 パラマウント
監督 ジェイソン・ライトマン Jason Reitman
製作 アイヴァン・ライトマン Ivan Reitman
製作 ジェイソン・ライトマン Jason Reitman
製作 ダニエル・ダビッキ Daniel Dubiecki
製作 ジェフリー・クリフォード Jeffrey Clifford
製作総指揮 トム・ポロック Tom Pollock
製作総指揮 ジョー・メジャック Joe Medjuck
製作総指揮 テッド・グリフィン Ted Griffin
製作総指揮 マイケル・ビューグ Michael Beugg
原作 ウォルター・カーン Walter Kirn
脚本 ジェイソン・ライトマン Jason Reitman
脚本 シェルドン・ターナー Sheldon Turner
撮影 エリック・スティールバーグ Eric Steelberg
プロダクションデザイン スティーヴ・サクラド Steve Saklad
衣装デザイン ダニー・グリッカー Danny Glicker
編集 デイナ・E・グローバーマン Dana E. Glauberman
音楽 ロルフ・ケント Rolfe Kent
音楽スーパーバイザー ランドール・ポスター Randall Poster
音楽スーパーバイザー リック・クラーク Rick Clark
出演 ジョージ・クルーニー George Clooney
出演 ヴェラ・ファーミガ Vera Farmiga
出演 アナ・ケンドリック Anna Kendrick
出演 ジェイソン・ベイトマン Jason Bateman
出演 ダニー・マクブライド Danny McBride
出演 メラニー・リンスキー Melanie Lynskey
出演 エイミー・モートン Amy Morton
出演 サム・エリオット Sam Elliott
出演 J・K・シモンズ J.K. Simmons
出演 ザック・ガリフィナーキス Zach Galifianakis