ジャッカルの日

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公開日 1973/09/15  142分


★★★★★★★★ 8.0


フォーサイス原作のドゴール大統領暗殺事件を映画化した傑作サスペンス。
寡作だが粒揃いのレッド・ジンネマン作品の中でも一級品。

まだ子供の頃、この映画をTVで観て、『映画(洋画)って何て面白いんだ!』と思わせた作品である。
決して子供向けに作られた作品ではないが、あのワクワクドキドキ感は忘れることができない。
そして今観ても、全く色褪せて感じることがない。
それ程にエンターテイメントとして優れている証であろう。

実際に近距離で追っているわけではないのに、殺し屋とそれを追う警察の、行き詰まる展開の場面構成は見事であり、主人公のエドワード・フォックスはまさに適役を得た演技を見せている。
おシャレな英国風美男子でありながら、適度に感情移入させないクールな主人公は、他に類を見ない魅力を放っている。
改造銃を始め、アルファロメオなどのディテールもいい。
そして何と言っても圧巻は、追いつ追われつの果て、暗殺の舞台。
BGMを排し、フィクションと思えない臨場感に圧倒される。
暗殺者の登場シーンがまたいい。
振る舞い、素振り、その歩き方、英国紳士ジャッカルの徹底的に周到な暗殺の準備と臨機応変に富んだな機知の唯一の綻びであり盲点は、フランス人特有の振る舞いにあったのか。
作品の出来からすれば「何故、英語?」の疑問など取るに足らない。
長尺であるにも関わらず、印象的で余韻を残すラストまで一気に見せるサスペンス映画の傑作である。
P.S.リメイク版『ジャッカル』は観ない方がいいです。

原題  THE DAY OF THE JACKAL

製作国 イギリス
製作国 フランス
製作・配給 CIC

監督 フレッド・ジンネマン Fred Zinnemann
製作 ジョン・ウルフ John Woolf
原作 フレデリック・フォーサイス Frederick Forsyth
脚本 ケネス・ロス Kenneth Ross
撮影 ジャン・トゥルニエ Jean Tournier
音楽 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue

出演 エドワード・フォックス Edward Fox
出演 マイケル・ロンズデール Michel Lonsdale
出演 アラン・バデル Alan Badel
出演 トニー・ブリットン Tony Britton
出演 シリル・キューザック Cyril Cusack