
公開日 2012/04/21 128分
ル・カレのスパイ小説『Tinker Tailor Soldier Spy』の映画化。
東西冷戦下の英国諜報部(サーカス)の幹部それぞれの暗号名、ティンカー(鋳掛け屋)、テイラー(仕立屋)、ソルジャー(兵隊)、プアマン(貧乏人)の中に潜む二重スパイ「もぐら」をつきとめる過程を描く。
スパイ映画とはいえ、爆破シーンはもとより銃撃戦も派手なアクションも一切ない。
説明を排した少ない台詞や、平均年齢が高く無口で渋いキャスト。
神経戦に徹した内容は賛否が大きく分かれるだろうが、個人的には成功していると思う。
ジェットコースター・ムービー、ポップコーン・ムービー全盛の時代に、ハリウッドに招かれながら、この地味さに徹したこの監督はなかなかのものかもしれない。
緻密な展開の中で、意味ありげに織り交ぜられる回想シーン、謎を呼ぶ構成には頭をフル回転せざるをえない。
古き良き時代は決していいことばかりではなかったが、今よりはマシという哀愁も染みる。
陰鬱な画面は当初眠気を誘うが、次第に高まっていく緊張感は半端ではない。
難しい内容ではないのだが、判断し辛い場面もあるので、観賞前後にはある程度の情報を仕入れておいた方がいいかもしれない。
私自身、深読みし過ぎてしまった。
小説ではスマイリー主演作が続くようで、映画化は不明だが、本作のみでも完結した佳編である。
原題 TINKER TAILOR SOLDIER SPY
製作国 イギリス
製作国 フランス
製作国 ドイツ
製作 Studio Canal
配給 ギャガ
監督 トーマス・アルフレッドソン Tomas Alfredson
製作 ティム・ビーヴァン Tim Bevan
製作 エリック・フェルナー Eric Fellner
製作 ロビン・スロヴォ Robyn Slovo
製作総指揮 ジョン・ル・カレ John Le Carre
製作総指揮 ピーター・モーガン Peter Morgan
製作総指揮 ダグラス・アーバンスキー Douglas Urbanski
製作総指揮 デブラ・ヘイワード Debra Hayward
製作総指揮 ライザ・チェイシン Liza Chasin
製作総指揮 オリヴィエ・クールソン Olivier Courson
製作総指揮 ロン・ハルパーン Ron Halpern
原作 ジョン・ル・カレ John le Carre
脚本 ブリジット・オコナー Bridget O'Connor
脚本 ピーター・ストローハン Peter Straughan
撮影 ホイテ・ヴァン・ホイテマ Hoyte Van Hoytema
プロダクションデザイン マリア・ジャーコヴィク Maria Djurkovic
衣装デザイン ジャクリーヌ・デュラン Jacqueline Durran
編集 ディノ・ヨンサーテル Dino Jonster
音楽 アルベルト・イグレシアス Alberto Iglesias
出演 ゲイリー・オールドマン Gary Oldman
出演 コリン・ファース Colin Firth
出演 トム・ハーディ Tom Hardy
出演 ジョン・ハート John Hurt
出演 トビー・ジョーンズ Toby Jones
出演 マーク・ストロング Mark Strong
出演 ベネディクト・カンバーバッチ Benedict Cumberbatch
出演 キアラン・ハインズ Ciaran Hinds
出演 キャシー・バーク Kathy Burke
出演 スティーヴン・グレアム Stephen Graham
出演 サイモン・マクバーニー Simon McBurney