ヒューゴの不思議な発明

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公開日 2012/02/10  158分


★★★★★ 5.0


ちなみに、主人公ヒューゴは何も発明しない。
なので、おかしなタイトルだ。
主人公が子供でファンタジックな内容、しかも3D。
スコセッシ監督のイメージを覆す、巨匠の新たな試みといえるだろう。

映画媒体の黎明期の時代背景がヴィヴィッドに描かれるが、衣装やセット、画面が綺麗過ぎる気がする。
当時はもっと薄汚れていたのではないだろうか。
また子供が一人で生き延びていくには、時代はもっと過酷だろう。
その辺りの残酷な現実は駅構内を縦横無尽に移動するカメラを含めたファンタジー色によって抑えられている。
ノンフィクションを絡めることで現実味を持たせようとしているのは分かるが、今の時代、しかも日本人には興味が湧く題材ではない。
そこに敢えて焦点を当てたのはスコセッシの映画愛なのだろう。
『レイジングブル』のモノクロ映像、9.11後の『ギャングオブニューヨーク』など、スコセッシ作品には映画愛が溢れている。
一時的とはいえ、失われた時代に生きた人間を描くことで、映画史に埋もれてしまった多くの人々に想いを馳せることができる。
どことなくアジアンテイストを感じる機械人形の動きは凄過ぎるが、造形は印象的だ。
主演の子役二人は、ファンタジーに相応しく可愛い。

3Dについては、途中3Dメガネを外してみたりしたのだが、特に立体に見える部分に視点がいき、その周囲の映像に視点が及ばない。
2Dの方が画面全体に視点が及ぶので、画面の見方・見え方が大きく異なるのが気になった。
しかも本作については、「3Dでなければ」という印象は持たなかった。
まだまだ開発途上の技術だ。


原題  HUGO

製作国 アメリカ
製作 Paramount Pictures
製作 GK Films
製作 Infinitum Nihil
配給 パラマウント

監督 マーティン・スコセッシ Martin Scorsese
製作 グレアム・キング Graham King
製作 ティム・ヘディントン Tim Headington
製作 マーティン・スコセッシ Martin Scorsese
製作 ジョニー・デップ Johnny Depp
製作総指揮 エマ・ティリンジャー・コスコフ Emma Tillinger Koskoff
製作総指揮 デヴィッド・クロケット David Crockett
製作総指揮 ジョージア・カカンデス Georgia Kacandes
製作総指揮 クリスティ・デンブロウスキー Christi Dembrowski
製作総指揮 バーバラ・デ・フィーナ Barbara De Fina
原作 ブライアン・セルズニック Brian Selznick
脚本 ジョン・ローガン John Logan
撮影 ロバート・リチャードソン Robert Richardson
プロダクションデザイン ダンテ・フェレッティ Dante Ferretti
衣装デザイン サンディ・パウエル Sandy Powell
編集 セルマ・スクーンメイカー Thelma Schoonmaker
音楽 ハワード・ショア Howard Shore
音楽スーパーバイザー ランドール・ポスター Randall Poster
視覚効果監修 ロブ・レガト Rob Legato

出演 ベン・キングズレー Ben Kingsley
出演 ジュード・ロウ Jude Law
出演 エイサ・バターフィールド Asa Butterfield
出演 クロエ・グレース・モレッツ Chloe Grace Moretz
出演 レイ・ウィンストン Ray Winstone
出演 エミリー・モーティマー Emily Mortimer
出演 ヘレン・マックロリー Helen McCrory
出演 クリストファー・リー Christopher Lee
出演 フランシス・デ・ラ・トゥーア Frances de la Tour
出演 リチャード・グリフィス Richard Griffiths
出演 サシャ・バロン・コーエン Sacha Baron Cohen
出演 マイケル・スタールバーグ Michael Stuhlbarg