
公開日 1962/09/16 108分
生活に困窮した浪人が武家屋敷に赴き、「切腹のためお庭拝借」と申し出ては、庭や玄関を汚されたくない人々から金品を巻き上げることが流行った時代。こんな時代があったのか・・・。
まず、そのことに驚き。
武士社会の醜い部分をえぐっているが、これは武士に限ったことではない。
ルールや制度からこぼれ落ちた人間を更に叩く陰湿さは現代にも存在する。
作品自体は相当重いが、評判通りに面白い。
「切腹」という行為に絡めてあぶり出される奢りや欺瞞は人間の普遍的な嗜好なのか。
特に仲代達也の思惑が判るまでが興味深く観ることができる。
最後の大立ち回りは劇場の大画面向けのサービスのようなもので、映画としては無くても充分成立すると思う。
特に殺陣の中の、腕を十字に交差して構える姿には、変身でもするのかと笑いそうになった。
回想シーンがかなり長いものの、ストーリーに贅肉はなく、モノクロの画面も引き締まっていて美しく、隙なく作られた佳作だ。
原題 切腹
製作国 日本
製作 松竹 京都
配給 松竹
監督 小林正樹 Kobayashi Masaki
製作 細谷辰雄 Hosoya Tatsuo
原作 滝口康彦 Takiguchi Yasuhiko
脚本 橋本忍 Hashimoto Shinobu
撮影 宮島義勇 Miyajima Giyu
美術 大角純一 Ohsumi Junichi
美術 戸田重昌 Toda Shigemasa
編集 相良久 Sagara Hisashi
音楽 武満徹 Takemitsu Touru
出演 仲代達矢 Nakadai Tatsuya
出演 岩下志麻 Iwashita Shima
出演 石濱朗 Ishihama Akira
出演 稲葉義男 Inaba Yoshio
出演 三国連太郎 Mikuni Rentaro
出演 三島雅夫 Mishima Masao
出演 丹波哲郎 Tanba Tetsuro
出演 中谷一郎 Nakatani Ichirou
出演 青木義朗 Aoki Yoshio
出演 井川比佐志 Igawa Hisashi
出演 小林昭二 Kobayashi Syoji
出演 佐藤慶 Sato Kei
出演 松村達雄 Matsumura Tatsuo