理由

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公開日 1995/07/01  102分


★★★★★ 5.0


サイコ・サスペンスとしてよくまとめられた作品だと思う。
冒頭から死刑廃止や黒人差別、幼児誘拐殺人のなどの社会問題が重く絡み、おまけにこのタイトルなので、ヒューマン・ドラマの印象を受けてしまった。
それも製作側の狙いなのかもしれないが、暫くは作品の意図さえも掴みづらく混乱させられた。

比較的短時間にテンポよく収められているのは好ましいが、複雑な伏線まで省略されているために、想像で補わねばならない部分がいくつかある。
例えば、昔の女性検事への復讐の動機については、何故今になってなのか?とか、何故彼女だけなのか、他の暴行者への復讐はどうしたのか?とかは見えない。
そこはそもそも偏執狂なのだから、偏った誰かを狙うのも当然なのかもしれないが。
死刑囚との取引の状況も伏せられているのだが、律儀に約束を守るのも何となく解せない。

ジャングルを思わせる南部のおどろおどろしさの描写がいい。
ローレンス・フィッシュバーンが上手い。
ブレア・アンダーウッドの演技がイマイチなだけに、一番おいしい役かもしれない。
後のレクター博士を彷彿させるエド・ハリスは、狂気とはいえオーバーアクト。
主人公の娘を演じるのがスカーレット・ヨハンソン。
印象は薄いが、子役からのキャリアとは知らなかった。

ところで、ブレア・アンダーウッドは判決前であり、エド・ハリスは死刑執行前なので、どちらも拘置所にいるはずなのだが、一見、刑務所に見える。
アメリカは拘置所も刑務所も大差ないのだろうか。

原題  JUST CAUSE

製作国 アメリカ
製作 Warner Bros. Pictures
製作 Fountainbridge Films
製作 Lee Rich Productions
配給 ワーナー・ブラザース映画

監督 アーネ・グリムシャー Arne Glimcher
製作 リー・リッチ Lee Rich
製作 アーネ・グリムシャー Arne Glimcher
製作 スティーヴ・ペリー Steve Perry
原作 ジョン・カッツェンバック John Katzenbach
脚本 ジェブ・スチュアート Jeb Stuart
脚本 ピーター・ストーン Peter Stone
撮影 ラホス・コルタイ Lajos Koltai
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード James Newton Howard

出演 ショーン・コネリー Sean Connery
出演 ローレンス・フィッシュバーン Laurence Fishburne
出演 ケイト・キャプショー Kate Capshaw
出演 ブレア・アンダーウッド Blair Underwood
出演 ルビー・ディー Ruby Dee
出演 エド・ハリス Ed Harris
出演 ネッド・ビーティ Ned Beatty
出演 ケヴィン・マッカーシー Kevin McCarthy
出演 クリス・サランドン Chris Sarandon
出演 スカーレット・ヨハンソン Scarlett Johansson