
公開日 1983/07/16 111分
スクリーン上の極端な構図が面白い。
公開当時はビデオレンタル化の全盛期で、「映画は家での観賞で十分じゃないか」という気運に満ちていた。
そんな中、この画面の隅に人物を配置した映像は、当時のTV画面では端が切れて見辛くなるため、ビデオへの対抗策ではないかと噂されたものだ。
アパートの窓づたいに隣の部屋に移るシーンなどは、ほとんど画面いっぱいが屋根で、画面の隅で人が動いている、そんな極端さだ。
画面の端から端へトコトコと移動する薬師丸ひろ子と松田優作はその身長差もあいまって面白い映像となっている。
舞台劇を思わせる人と人の重なりや、台詞を発する人物を遠近を用いて交代させる手法なども面白い。
ただ、ストーリー展開はサスペンスと恋愛劇のバランスが悪く、場面の色合いが唐突に変わる。
画面の緻密さに比べて物語の展開はかなり雑だ。
横道のエピソードに捕われて、真犯人にたどり着く骨子が曖昧になったり急に強調されたりで、散漫な印象は否めない。
そしてこれらを強引に恋愛劇に帰結させるラストには驚いてしまう他はない。
原題 探偵物語
製作国 日本
製作 角川春樹事務所
配給 東映
監督 根岸吉太郎 Negishi Kichitaro
製作 角川春樹 Kadokawa Haruki
プロデューサー 黒澤満 Kurosawa Mitsuru
製作 長谷川安弘 Hasegawa Yasuhiro
製作 紫垣達郎 Shigaki Tatsuro
原作 赤川次郎 Akagawa Jiro
脚本 鎌田敏夫 Kamata Toshio
撮影 仙元誠三 Sengen Seizou
美術 徳田博 Tokuda Hiroshi
編集 鈴木晄 Suzuki Akira
音楽 加藤和彦 Katoh Kazuhiko
助監督 一倉治雄 Ichikura Haruo
出演 薬師丸ひろ子 Yakushimaru Hiroko
出演 松田優作 Matsuda Yusaku
出演 秋川リサ Akikawa Risa
出演 岸田今日子 Kishida Kyoko
出演 北詰友樹 Kitazume Yuki
出演 坂上味和 Sakagami Miwa
出演 財津一郎 Zaitsu Ichirou