借りぐらしのアリエッティ

店舗イメージ

公開日 2010/07/17  94分


★★★★★ 5.0


『ゲド戦記』でジュニアに、『崖の上のポニョ』で屋台骨そのものに、連続でガッカリさせれただけに今回のジブリ作品にはまったく期待しなかった。
しかも今回は初監督作品だ。
だが、いざ蓋を開けてみると、かなり面白かった。
古い屋敷と小人。成長過程の少女の勝ち気な性格をベースにした好奇心、ワクワクドキドキ感が上手く描けている。

屋敷の中の冒険など、『ミクロキッズ』『トイストーリー』を始めとして、使い古されたモチーフなのだが、画の素晴らしさも手伝って、新鮮に観ることができた。
『トトロ』的なモチーフがそこここに見られるものの、焼き直しというほどでもない。
想像力こそがジブリの命と思っているのだが、その点予想を越えるイメージと展開だった。
宮崎駿はどうも劇場版アニメはクライマックスにスペクタクルが必要だと考えているように見えるが、そんなことはないことを本作は示している。
人生における「別れ」で充分に作品は成立するのだ。
それはまさか続編狙いではあるまい。

本作は絶滅に瀕する種族を描くことで、『ナウシカ』と同様に自然破壊に訴えかけているが、少年がアリエッティにいきなり絶滅を問い掛けるシーンは、台詞での強引なフォローに繋がり、無理やり感が余りに強く違和感を感じた。
小人の生活について「あれは借りているんではなく盗んでいるんだ」という指摘もあるが、人間も結局は自然界から借りているにすぎない。
「所有」の概念を突いた良いタイトルだと思う。

原題  THE SECRET WORLD OF ARRIETTY

製作国 日本
製作 スタジオジブリ
製作 日本テレビ
製作 電通
製作 博報堂DYメディアパートナーズ
製作 ディズニー
配給 東宝

監督 米林宏昌 Yonebayashi Hiromasa
作画監督 賀川愛 Kagawa Megumi
作画監督 山下明彦 Yamashita Akihiko
美術監督 武重洋二 Takeshige Yoji
プロデューサー 鈴木敏夫 Suzuki Toshio
製作 星野康二 Hoshino Kouji
企画 宮崎駿 Miyazaki Hayao
原作 メアリー・ノートン Mary Norton
脚本 宮崎駿 Miyazaki Hayao
脚本 丹羽圭子 Niwa Keiko
美術 吉田昇 Yoshida Noboru
音楽 セシル・コルベル Cecile Corbel

出演 志田未来 Shida Mirai
出演 神木隆之介 Kamiki Ryunosuke
出演 大竹しのぶ Ohtake Shinobu
出演 竹下景子 Takeshita Keiko
出演 藤原竜也 Fujiwara Tatsuya
出演 三浦友和 Miura Tomokazu
出演 樹木希林 Kiki Kirin