
公開日 1988/09/15 110分
二度目の鑑賞。
私にとっては大林監督のベストかもしれない。
本作も大林作品らしく、かなり感傷的な作品で、泣けてしまうわけなのだ。
きっぷのいい江戸っ子夫婦である両親が魅力的だ。
片岡鶴太郎も秋吉久美子も上手い。
死んでいる親父が仕事を辞めたのどうのと訳の分からないことを言うなど、粗も多くあるが、そんなことは確信犯的に無視して、情緒面だけで物語を進める潔さも好ましく思える。
親子の年齢が逆転しているありえない状況、江戸っ子気質のセンチメンタリズム、夏のすき焼き屋という奇妙な設定が織り成す別れの場面は、力技的な感傷で押し切る名シーンといえるだろう。
名取裕子との話を並行させるのも興味深く観られるし、クライマックスに用意された仕掛けも、意外性はともかく、面白さという点で上々だと思う。
何か胸の疼きを伴うほどの郷愁を誘う作品だ。
ひと夏の奇妙な経験をうまく表わしたタイトルもいい。
原題 異人たちとの夏
製作国 日本
製作・配給 松竹
監督 大林宣彦 Obayashi Nobuhiko
製作 杉崎重美 Sugisaki Kiyomi
製作 樋口清 Higuchi Kiyoshi
原作 山田太一 Yamada Taichi
脚本 市川森一 Ichikawa Shinichi
撮影 阪本善尚 Sakamoto Yoshitaka
美術 薩谷和夫 Satsuya Kazuo
編集 太田和夫 Ohta Kazuo
音楽 篠崎正嗣 Shinozaki Masatsugu
出演 風間杜夫 Kazama Morio
出演 秋吉久美子 Akiyoshi Kumiko
出演 片岡鶴太郎 Kataoka Tsurutaro
出演 永瀬正敏 Nagase Masatoshi
出演 名取裕子 Natori Yuko
出演 川田あつ子 Kawada Atsuko
出演 ベンガル Bengal
出演 笹野高史 Sasano Takashi
出演 入江若葉 Irie Wakaba
出演 桂米丸 Katsura Yonemaru