砂と霧の家

店舗イメージ

公開日 2004/11/06  126分


★★★★★★★ 7.0


結末を冒頭に持って来る構成は、目新しくもないが、このように効果的に使われているのは久々だ。
これに限らず、全編かなり綿密に作りこまれている作品だ。

行政のミスに翻弄され、対立する女性と家族が主人公。
それぞれの抱える問題を台詞のみならず、表情といった細かな動きまで駆使した描写が素晴らしい。
ただ、主たる二人の女性がともに精神的に自立できていないプロットが個人的に気になった。
イランという国自体が女性の自立を阻む社会(軍幹部の妻なら尚更)なのは、何となく解るが、たやすく保安官の男性に依存してしまう主人公には苛立ちさえ覚えてしまう。
一方、「男は見栄だ」を体現するベン・キングズレーは素晴らしい。
鬼気迫る、まさに名演。
息子は真面目だがバカ、でも「居そう」なタイプには描けている。

ラストの台詞はかなり印象的で、「家」というものに纏わる社会的な悲劇を巧みに描いていて、一級品といえる。

原題  HOUSE OF SAND AND FOG

製作国 アメリカ
製作 DreamWorks SKG
製作 Cobalt Media Group
製作 Bisgrove Entertainment
配給 ギャガ
配給 ヒューマックス

監督 ヴァディム・パールマン Vadim Perelman
製作 マイケル・ロンドン Michael London
製作 ヴァディム・パールマン Vadim Perelman
製作総指揮 ニーナ・R・サドウスキー Nina R. Sadowsky
製作総指揮 スチュワート・ティル Stewart Till
原作 アンドレ・デビュース三世 Andre Dubus III
脚本 ヴァディム・パールマン Vadim Perelman
脚本 ショーン・ローレンス・オットー Shawn Lawrence Otto
撮影 ロジャー・ディーキンス Roger Deakins
編集 リサ・ゼノ・チャージン Lisa Zeno Churgin
音楽 ジェームズ・ホーナー James Horner

出演 ジェニファー・コネリー Jennifer Connelly
出演 ベン・キングズレー Ben Kingsley
出演 ロン・エルダード Ron Eldard
出演 ショーレ・アグダシュルー Shohreh Aghdashloo
出演 フランシス・フィッシャー Frances Fisher
出演 ジョナサン・アードー Jonathan Ahdout
出演 ナヴィ・ラワット Navi Rawat
出演 キム・ディケンズ Kim Dickens