
公開日 2009/06/13 109分
ミッキー・ローク本人が強く投影された作品だ。
かつて一世を風靡したものの、今は身体もボロボロで、アルバイトしながら場末で興行するしがないベテラン・レスラーを演じる。
若いころからキチンとした生活をすれば済む話で、それができない男にイラッとする観客もあるかもしれない。
しかし、「分かっちゃいるけど止められない」ことは少なからず誰にでもあるだろう。
そのダメさをデフォルメした人間臭さが魅力なのだ。
試合前に打ち合わせ『なんだやっぱり八百長じゃん』と驚く観客もあるだろう。
しかし、現実の試合では思わず目をそらしてしまうほどの血の激闘は本物なのだ。
おいぼれレスラーと、とうの立ったストリッパーという設定もいかにもだが、マリサ・トメイの演技も相まって、悲哀感に打たれる。
自分のダメさに打ちひしがれた主人公が最後に戻るのはやはりリング。
そのラストシーンも含めて『どついたるねん』を彷彿させるが、こちらには若さの輝きはなく、更に積み重ねた絶望感がある。
シナリオがあろうがなかろうが格闘技という過酷でピュアな世界、しかもいつまでも居続けることのできない儚い舞台。
ダメな生き方を変えられない、歳をとった。しかし、ある意味ピュアな生き様に感動。
原題 THE WRESTLER
製作国 アメリカ
製作 Wild Bunch
製作 Protozoa Pictures
製作 Saturn Films
配給 日活 Nikkatsu
監督 ダーレン・アロノフスキー Darren Aronofsky
製作 スコット・フランクリン Scott Franklin
製作 ダーレン・アロノフスキー Darren Aronofsky
製作総指揮 ヴァンサン・マラヴァル Vincent Maraval
製作総指揮 アニエス・メントレ Agnes Mentre
製作総指揮 ジェニファー・ロス Jennifer Roth
脚本 ロバート・シーゲル Robert Siegel
撮影 マリス・アルベルチ Maryse Alberti
プロダクションデザイン ティム・グライムス Tim Grimes
衣装デザイン エイミー・ウェストコット Amy Westcott
編集 アンドリュー・ワイスブラム Andrew Weisblum
音楽 クリント・マンセル Clint Mansell
主題歌 ブルース・スプリングスティーン Bruce Springsteen
音楽監修 ゲイブ・ヒルファー Gabe Hilfer
出演 ミッキー・ローク Mickey Rourke
出演 マリサ・トメイ Marisa Tomei
出演 エヴァン・レイチェル・ウッド Evan Rachel Wood
出演 マーク・マーゴリス Mark Margolis
出演 ワス・スティーヴンス Wass Stevens