
公開日 1957/07/14 110分
非常に評価の高い作品だけにかなりの期待を持って観たが、期待したほどの感銘はなかった。
死が迫っていることを予感させるフランキー堺の裏返しの突き抜けた明るさと才気。
冒頭に紹介される、賑わいとは裏腹にやがて消え行く遊郭品川という舞台。
互いにシンクロするこれらは翻って全編を重々しく覆っている。
このコメディタッチによる影の表現は、五社英雄の作品などとは明らかに異なる軽さと明るさによる表現であり、ここが多くに支持される所以なのだろう。
ただ、逆に五社作品のような妖艶さはここにはない。
心中を図りながら裏切ることさえコメディタッチであり、生への執着を強く窺わせる。
ラストに墓場を持ってきたのも頷けるし、そこに導く男の雰囲気と執拗さは死神とさえ思えるが、それを突き放す主人公こそ生への執着の権化であり、本編の主題であり、救いでさえある。
しかし、遊郭で飲めや歌えのドンチャン騒ぎをしておいて、「居残り」で済ましてもらえるって、あるのだろうか?
原題 幕末太陽傳
製作国 日本
製作 日活
配給 日活
監督 川島雄三 Kawashima Yuzou
製作 山本武 Yamamoto Takeshi
脚本 田中啓一 Tanaka Keiichi
脚本 川島雄三 Kawashima Yuzo
脚本 今村昌平 Imamura Syohei
撮影 高村倉太郎 Takamura Kurataro
美術 中村公彦 Nakamura Kimihiko
美術 千葉一彦 Chiba Kazuhiko
編集 中村正 Nakamura Tadashi
音楽 黛敏郎 Mayuzumi Toshirou
監督助手 浦山桐郎 Urayama Kirio
監督助手 遠藤三郎 Endo Saburo
監督助手 磯見忠彦 Isomi Tadahiko
助監督 今村昌平 Imamura Syouhei
出演 フランキー堺 Frankie Sakai
出演 左幸子 Hidari Sachiko
出演 南田洋子 Minamida Youko
出演 石原裕次郎 Ishihara Yujirou
出演 芦川いづみ Ashikawa Izumi
出演 市村俊幸 Ichimura Toshiyuki
出演 金子信雄 Kaneko Nobuo
出演 山岡久乃 Yamaoka Hisano
出演 岡田眞澄 Okada Masumi