
公開日 1958/10/26 128分
ヒッチコック作品はどれも平均して面白いのだが、多作の中でもこれは抜きん出て面白い。
確かに強引な設定や見え見えな展開はあるものの、それらを補って余りある魅力がこの作品にはある。
郊外の教会のある村へ辿り着く展開が強引だし、きっかけとなる船会社の娘婿の依頼なども見え見えだ。
だが、主人公の昔の女をいつまでも忘れられない未練がましさや、昔の女の服装を無理にさせる陰湿さなどのダメダメっぷり、そんな主人公を安全パイと踏んでいた女友達の後悔など、恋愛感情のダメな部分が交錯する展開が面白い。
それらを引き起こしているのがキム・ノヴァクの美しさであり、人妻であること、しかも死んでしまうという強烈なファクターによって禁断的な魅力になっている。
そもそも不倫に対する苦悩がないのはヒッチコックらしいということで。
(『ダイヤルM…』なども同様)
まあ、殺人ありきのスリラー・サスペンスの巨匠なので、道徳云々を言っても仕方ないし。
この何か現実離れした雰囲気、夢の中をさまようような雰囲気が心地よかった。
主人公の自宅の中国風デザインが変。音楽はちょっとうるさい。
結末は唐突。
原題 VERTIGO
製作国 アメリカ
製作 Paramount Pictures
製作 Alfred J. Hitchcock Productions
配給 パラマウント
監督 アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
製作 アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock
原作 ピエール・ボワロー Pierre Boileau
原作 トーマス・ナルスジャック Thomas Narcejac
脚本 アレック・コッペル Alec Coppel
脚本 サミュエル・A・テイラー Samuel A. Taylor
撮影 ロバート・バークス Robert Burks
音楽 バーナード・ハーマン Bernard Herrmann
タイトル・デザイン ソウル・バス Saul Bass
出演 ジェームズ・スチュワート James Stewart
出演 キム・ノヴァク Kim Novak
出演 バーバラ・ベル・ゲデス Barbara Bel Geddes
出演 トム・ヘルモア Tom Helmore
出演 ヘンリー・ジョーンズ Henry Jones