バーディ

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公開日 1985/08/30  120分


★★★★★★ 6.0


アメリカにおけるベトナム戦争の後遺症の表現方法としてこのような描き方もあるのかと感心させられる。

野鳩や野犬を捕まえていた悪ガキ時代には想像だにしなかった戦場で身も心もボロボロになったニコラス・ケイジ。
彼が唯一心を開くのが、相当な変人であり、親友のバーディ。
病んだ心の痛々しさは、戦場を描かなくても痛烈に伝わってくる。
「飛びたい」ではなく、「鳥になりたい」という望みは、あまりにも象徴的。
ラストシーンにおける、羽ばたくバーディが人間に戻ったような笑顔にはニコラス・ケイジならずとも、心にジンと来るだろう。
悪ガキ時代の無邪気な『ラ・バンバ』とは違った、傷心と孤独の果ての光明とも見える『ラ・バンバ』がここにはある。

陰(現在)と陽(過去)を織り交ぜたアラン・パーカーの演出は、やはり彼らしく陰に真価があり、過去から既に明るい未来がないことも暗に示唆している。
バーディの病室の青みがかったモノトーンの映像といい、鳥を模した姿といい、現実離れしているほど印象的だ。
鳥嫌いの人には受け付けないかもしれないし、大作でもアクションでもなく、感動作も狙っていないが、いわゆる「何故か心に残る」作品の一つだ。

原題  BIRDY

製作国 アメリカ
製作 A&M Films
製作 TriStar Pictures
配給 コロムビア映画

監督 アラン・パーカー Alan Parker
製作 アラン・マーシャル Alan Marshall
原作 ウィリアム・ワートン William Wharton
脚本 サンディ・クルーフ Sandy Kroopf
脚本 ジャック・ベアー Jack Behr
撮影 マイケル・セレシン Michael Seresin
音楽 ピーター・ガブリエル Peter Gabriel

出演 マシュー・モディーン Matthew Modine
出演 ニコラス・ケイジ Nicolas Cage
出演 ジョン・ハーキンス John Harkins
出演 サンディ・バロン Sandy Baron
出演 カレン・ヤング Karen Young