
公開日 1956/11/01 108分
男臭い作品で定評のあるアルドリッチ監督の期待を裏切らない、男しか出てこない作品だ。
アメリカ軍を待ち伏せする双眼鏡の映像は『硫黄島からの手紙』だ。
生きるために必死で走る姿は『ブラックホークダウン』だ。
無線で復讐を誓うシーンは『ランボー2』だ。
それほどに後の戦争映画の素になる要素が散りばめられている。
とはいえ本作の主題は、敵との戦闘に置かれてはいない。
(何故、原題は『ATTACK!』なのだ?)
上官の無能さゆえに部下が次々と死んでゆく理不尽さを執念を込めて描かれており、単なる内部告発ものとは一線を画するほどの迫力だ。
鬼気迫る執念の主人公をジャック・パランスが適役を得て好演、それに対して理解は示すものの権力との狭間で悩むエディ・アルバート、無能なお坊ちゃま中隊長ロバート・ストラウス、戦争を出世の道具に画策するリー・マーヴィンとキャストは見事にハマっている。
ベッドで丸くなって泣いていたロバート・ストラウスが、終盤に唐突に登場するなど、構成的に端折ってる部分はあるものの、テンポよく短い上映時間に纏められているので良しとしよう。
侵攻前に『静かだ。静か過ぎる。』という台詞は作品自体にも当てはまる象徴的台詞で、それ以降は丘を駆け下りる激しいシーンを経て一気に生死を分かつ地獄の戦場へと展開していく。
ラスト・シーンは作為的な印象はあるものの、「男」の意志を引き継ぐ「男」と好意的に解釈しよう。
原題 ATTACK!
製作国 アメリカ
製作・配給 松竹
製作・配給 United Artists Entertainment LLC
監督 ロバート・アルドリッチ Robert Aldrich
製作 ロバート・アルドリッチ Robert Aldrich
原作 ノーマン・ブルックス Norman Brooks
脚本 ジェームズ・ポー James Poe
撮影 ジョセフ・バイロック Josef Biroc
音楽 フランク・デ・ヴォール Frank De Vol
タイトル・デザイン ソウル・バス Saul Bass
出演 ジャック・パランス Jack Palance
出演 エディ・アルバート Eddie Albert
出演 リー・マーヴィン Lee Marvin
出演 ロバート・ストラウス Robert Strauss