
公開日 2002/05/25 98分
カタカナ表記だとかえって解り辛いタイトルだ。
原題は no man's land 。誰のものでもない土地とでも訳そうか。
本作ではボスニア紛争におけるボスニアとセルビアの最前線の中間地帯を指している。
この中間地帯の塹壕に迷い込んだボスニアの兵士とそれを捜索に来たセルビアの兵士。
気がつくと体の下に地雷を埋め込まれていたボスニア兵士の3人による、no man's landでのやりとりは、あまりにも現実離れした状況下で喜劇じみた強烈なブラックな毒で覆われている。
ここで話され、行われることの矛盾の数々、数々。
救援に当たった国連軍も巻き込んで更に矛盾は増大し、ブラックに満ち満ちた喜劇へと発展していく。
この中間地帯では、戦争の大義名分はもとより、殺すこと、救うこと、見放すこと、報道も武器も、国も国連も、何もかもが重さを失い、どうでもよいことでもあり、且つ筋が通ったものでもある。
人を殺すことが突然軽くなり、重くなる。
喜劇じみた展開を辿りながら、内容はどこまでも悲劇的な結末を辿っていく。
国連の介入までをもナンセンスに笑い飛ばすブラックの果てに、取り残された一つの命でもって大きな疑問を投げかける。
原題 NO MAN'S LAND
製作国 フランス
製作国 イタリア
製作国 ベルギー
製作国 イギリス
製作国 スロヴェニア
配給 ビターズ・エンド
監督 ダニス・タノヴィッチ Danis Tanovic
製作 フレデリック・デュマ Frederique Dumas
製作 マルク・バシェ Marc Baschet
製作 セドミール・コラール Cedomir Kolar
脚本 ダニス・タノヴィッチ Danis Tanovic
撮影 ウォルター・ヴァン・デン・エンデ Walther van den Ende
美術 ドゥシュコ・ミラヴェツ Dusko Milavec
衣装デザイン ズヴォンカ・マクツ Zvonka Makuc
編集 フランチェスカ・カルヴェリ Francesca Calvelli
音楽 ダニス・タノヴィッチ Danis Tanovic
出演 ブランコ・ジュリッチ Branko Djuric
出演 レネ・ビトラヤツ Rene Bitorajac
出演 フイリプ・ショヴァゴヴイツチ Filip Sovagovic
出演 カトリン・カートリッジ Katrin Cartlidge
出演 サイモン・キャロウ Simon Callow
出演 ジョルジュ・シアティディス Georges Siatidis
出演 サシャ・クレメール Sacha Kremer
出演 セルジュ=アンリ・ヴァルック Serge-Henri Valcke
出演 ムスタファ・ナダレヴィッチ Mustafa Nadarevic