
公開日 2007/03/24 144分
ポール・バーホーベンが母国オランダで撮った戦争映画。
何故今更ナチスドイツによる侵略を描くのか、答えはすべて作品の中にある。
バーホーベン&戦争とはいえ、スプラッター的残虐シーンで売ることはなく、今や、ナチス=悪の構図を描くでもない。
戦争において至るところに発生する悪。
敵、味方だけではない、軍、民衆、あらゆるところに存在する悪をあぶり出している。
ナチスでも自己によって立つ者もあれば、レジスタンスでも裏切る者もある。
敵であれ味方であれ、必死に戦争をするものもあれば、戦争を甘い汁を吸う道具にするもの居る。
それらが混然となっているがために、尚更いずれであっても多くのものが死ぬ。
ならば些細な喜びや希望を見い出すことができても、失望や悲しみはそれ以上に大きく深い。
『トリコロールに燃えて』に近い題材であるが、主人公のありふれ様を元に、戦争の悲劇の普遍性についての圧力はこちらが強い。
主人公の『苦しみに終りはない』は、戦争がある限り、絶えないことをラストまで示唆している。
第二次大戦が舞台ではあるものの、今のイラクでのアメリカを描いているとも言えるほど、どの戦争でも言える普遍的な内容であり、オランダで撮られたことは多いに頷ける。
時間は長いが、緊張感が隙無く続くため、飽きたり眠たくなることがない濃い作品だ。
原題 ZWARTBOEK
製作国 オランダ
製作国 ドイツ
製作国 イギリス
製作国 ベルギー
製作 Fu Works
製作 Egoli Tossell Film
製作 Clockwork Pictures
配給 ハピネット
監督 ポール・ヴァーホーヴェン Paul Verhoeven
製作 テューン・ヒルテ Teun Hilte
製作 サン・フー・マルサ San Fu Maltha
製作 ジョス・ヴァン・ダー・リンデン Jos van der Linden
製作 イエルーン・ベーカー Jeroen Beker
製作総指揮 グレアム・ベッグ Graham Begg
製作総指揮 ジェイミー・カーマイケル Jamie Carmichael
製作総指揮 アンドレアス・グロッシュ Andreas Grosch
製作総指揮 ヘニング・モルフェンター Henning Molfenter
原案 ジェラルド・ソエトマン Gerard Soeteman
脚本 ジェラルド・ソエトマン Gerard Soeteman
脚本 ポール・ヴァーホーヴェン Paul Verhoeven
撮影 カール・ウォルター・リンデンローブ Karl Walter Lindenlaub
プロダクションデザイン ウィルバート・ファン・ドープ Wilbert Van Dorp
衣装デザイン ヤン・タックス Yan Tax
音楽 アン・ダッドリー Anne Dudley
出演 カリス・ファン・ハウテン Carice van Houten
出演 トム・ホフマン Thom Hoffman
出演 セバスチャン・コッホ Sebastian Koch
出演 デレク・デ・リント Derek De Lint
出演 ミキール・ハースマン Michiel Huisman