
公開日 2008/01/19 117分
『チャリチョコ』は、かなりミュージカルっぽかったが、本格的にミュージカルを撮ってしまったティム・バートン。
その時に面白いと思うもの、興味があるものを撮るというスタイルは健在だ。
自分が面白いと思うものは必ず面白い筈という自信さえ垣間見られる程の本作は、他人がどう思うなどということを差し置いて進む。
ジョニ・デに憧れて来た客も、ミュージカルを堪能しに来た客も消化不良だろう。
スターによる麗しのミュージカルなどとは程遠い、ユニークな歌と流血劇。
台詞のようなジョニ・デの歌、アラン・リックマンに至っては吹き出しそうだ。
惨殺のドラマに相応しく暗い画面は、まさにティム・バートンらしい構成と色に彩られているが、それが露出し過ぎるために、連続殺人に及ぶ情念のドロドロが浅く見える。
ストーリー的に特筆すべき点はなく、予想内の展開に終始するのが残念、情緒への訴え掛けも薄い。
ティム・バートン〝らしさ〟は十分に発揮されているので、マニアには受けるだろうが、例えばただのミュージカル目当ての観客には、受け入れ難い印象さえあるほどの、これも〝走った〟作品だ。
原題 SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREET
製作国 アメリカ
製作・配給 ワーナーブラザース
監督 ティム・バートン Tim Burton
製作 リチャード・D・ザナック Richard D. Zanuck
製作 ウォルター・F・パークス Walter F. Parkes
製作 ローリー・マクドナルド Laurie MacDonald
製作 ジョン・ローガン John Logan
製作総指揮 パトリック・マコーミック Patrick McCormick
原作 スティーヴン・ソンドハイム Stephen Sondheim
原作 ヒュー・ウィーラー Hugh Wheeler
脚本 ジョン・ローガン John Logan
撮影 ダリウス・ウォルスキー Dariusz Wolski
プロダクションデザイン ダンテ・フェレッティ Dante Ferretti
衣装デザイン コリーン・アトウッド Colleen Atwood
編集 クリス・レベンゾン Chris Lebenzon
作詞作曲 スティーヴン・ソンドハイム Stephen Sondheim
出演 ジョニー・デップ Johnny Depp
出演 ヘレナ・ボナム=カーター Helena Bonham Carter
出演 アラン・リックマン Alan Rickman
出演 ティモシー・スポール Timothy Spall
出演 サシャ・バロン・コーエン Sacha Baron Cohen
出演 エド・サンダース Ed Sanders