叫びとささやき

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公開日 1974/01/19  91分


★★★★★★ 6.0


ストーリーの解釈に力が要る芸術性の高い作品。
それだけに「好き嫌い」だけでは評価はできない。
清純な白色と情熱と性を表す赤色の対比、表情のアップをセンテンスのアクセント的に多用しながら、人間の生と死、愛情と情欲をえぐって見せた作品である。

登場人物は上流階級の3姉妹と召使のほぼ4人に絞られる。
死に瀕した次女を中心に、性に苛まれる長女、性を弄ぶかのような三女、娘を亡くし次女に対しても聖母的であろうとする召使。
互いに響き合うことない家族を端的に表現し、絶望も幸福も描いて見せる。
そして 「叫びもささやきもかくして沈黙に帰する」と断じるラストに人間の存在価値そのものを問いかける。

映像、音楽等、作品のすべてについての意味を問わねばならない、眠気も堪えて。
これも映画の優れた一面。

原題  VISKNINGAR OCH ROP

製作国 スウェーデン
製作・配給 東和

監督 イングマール・ベルイマン Ingmar Bergman
脚本 イングマール・ベルイマン Ingmar Bergman
撮影 スヴェン・ニクヴィスト Sven Nykvist

出演 イングリッド・チューリン Ingrid Thulin
出演 ハリエット・アンデルセン Harriet Andersson
出演 リヴ・ウルマン Liv Ullmann
出演 カリ・シルヴァン Kari Sylwan