ヴェラ・ドレイク

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公開日 2005/07/09  125分


★★★★★★ 6.0


イメルダ・スタウントンの演技が光る地味な地味な作品。
だが、ストーリーには隙がなく、引き締まった内容で、まったく飽きることなく一気に観ることができた。
『サイダーハウス・ルール』を思わせる題材であったが、『サイダー・・・』が「主人公の成長物語」という明るさが根本にあるのに対して、こちらは善良な確信犯的おばあちゃんが主人公だけに暗い。

だが本作は、貧困による悲劇、社会の仕組みの理不尽さ、家族のあり方等の様々な深い側面を持つため、観る者それぞれに異なった強い印象を与えるのではないだろうか。
主人公の善良さだけではなく、夫の信頼と苦悩、娘婿の思慮深さなど、それぞれの出演者がしっかりと描けている。
一見、聞き分けのない息子のようにも見えても、若い時はこれくらい正義感で理想肌で真っ直ぐな方がいい。
父親が言うようにいつか解る日が来る。
見せしめ的な判決であっても、法律とは融通のきかないものであるし、裁判長の見解も理解できる。

悲劇的なストーリーだが、ヨーロッパ映画らしく、悪役はおろか、善悪、白黒といった描写に頼らずに描いた作品である。
時間をかけたと思われる陰影に富む深い映像美も見逃せない。
堕胎に反する勢力の強いアメリカでは受けないかもしれないが、それだけに逆に、現在のアメリカに訴えるところがあるのかもしれない。

原題  VERA DRAKE

製作国 イギリス
製作国 フランス
製作国 ニュージーランド

監督 マイク・リー Mike Leigh
製作 サイモン・チャニング・ウィリアムズ Simon Channing-Williams
製作総指揮 ゲイル・イーガン Gail Egan
製作総指揮 ロバート・ジョーンズ Robert Jones
製作総指揮 ダンカン・リード Duncan Reid
製作総指揮 アラン・サルド Alain Sarde
脚本 マイク・リー Mike Leigh
撮影 ディック・ポープ Dick Pope
美術 イヴ・スチュワート Eve Stewart
衣装デザイン ジャクリーヌ・デュラン Jacqueline Durran
編集 ジム・クラーク Jim Clark
音楽 アンドリュー・ディクソン Andrew Dickson

出演 イメルダ・スタウントン Imelda Staunton
出演 フィル・デイヴィス Phil Davis
出演 ピーター・ワイト Peter Wight
出演 エイドリアン・スカーボロー Adrian Scarborough
出演 ヘザー・クラニー Heather Craney
出演 ダニエル・メイズ Daniel Mays
出演 アレックス・ケリー Alex Kelly
出演 サリー・ホーキンス Sally Hawkins
出演 エディ・マーサン Eddie Marsan
出演 シネイド・マシューズ Sinead Matthews
出演 ルース・シーン Ruth Sheen
出演 フェネラ・ウールガー Fenella Woolgar