こわれゆく女

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公開日 1993/02/27  145分


★★★★★★ 6.0


ジーナ・ローランズが〝あぶない〟(イタイと言った方がよいか)女を演じ切っている。
うーん、こういう女、居そうだ。
「白鳥の湖」コワい、コワい。
だが、これはれっきとしたホームドラマ。
家庭とは何なのか、壊れそうな家庭を支えるものとは、どういったものなのかを鮮烈に描いている。
どんなに奇妙な家庭であっても、長い間培われてきた家庭には、それぞれの「リズム」というものがあって、本作は、そのリズムをキチンと描いている。
夫との不和、喧嘩、妻の入院、すべて経験してきたことであり、それを繰り返してもなお、家庭を守ろうとするそれぞれの想いが独特なシチュエーションだけに深く浮き彫りにされる。
ラスト、夫婦が無言でベッドメークをするシーン。
これまで何度も繰り返されてきたあろう、それぞれの役割を淡々とこなしていくシーンは、この夫婦の優しさ、温かさを象徴して余りある名シーンだと思う。
こういった家庭のリズムは、監督の手腕なくしてできないことで、ジョン・カサヴェテスの卓越した観察眼が窺える作品でもある。

原題  A WOMAN UNDER THE INFLUENCE

製作国 アメリカ
配給 東北新社
配給 シネセゾン

監督 ジョン・カサヴェテス John Cassavetes
製作 サム・ショウ Sam Shaw
脚本 ジョン・カサヴェテス John Cassavetes
撮影 マイク・フェリス Mike Ferris
撮影 デヴィッド・ノウェル David Nowell
音楽 ボー・ハーウッド Bo Harwood

出演 ジーナ・ローランズ Gena Rowlands
出演 ピーター・フォーク Peter Falk
出演 マシュー・カッセル Matthew Cassel
出演 マシュー・ラボート Matthew Laborteaux
出演 ニック・カサヴェテス Nick Cassavetes