公開日 1976/11/03 104分
札付きのワル２人と世間知らずの若者１人（３人とも海軍水兵）による、アメリカン・ニューシネマの匂いがぷんぷん漂うロードムービー。
米北部、罪を犯した軍の若者を、同じ軍のはみだし者２人が刑務所に移送する７日間を通して、道すがら徐々に募る不遇で世間知らずの若者への感情移入や社会（この場合は軍社会）に対する苛立ち、怒りがきめ細やかに描かれている。
主役の３人が好演である。
刑期を持ち堪えられないであろう若者を逃がしてやることもできない２人、自分たちも軍以外に居場所はないのだ。
感化されやすく気の弱い若者。
刑務所という最悪の到着地に向かいながらも、若者に処世術や娯楽を教えたり、お経を覚えたり、と可笑しいまでに何とかしようとする姿が切ない。
また移送後の、若者の話題ができない故の痛々しい強がりなど、一見荒くれた男達のナイーブな感情が美しい。
スペクタルなど一切ないが、雪と寒さの映像とともに、心優しい男達を描いた小品である。
原題 THE LAST DETAIL
製作国 アメリカ
製作・配給 Columbia Pictures Corporation
監督 ハル・アシュビー Hal Ashby
製作 ジェラルド・エアーズ Gerald Ayres
原作 ダリル・ポニックサン Darryl Ponicsan
脚本 ロバート・タウン Robert Towne
撮影 マイケル・チャップマン Michael Chapman
音楽 ジョニー・マンデル Johnny Mandel
出演 ジャック・ニコルソン Jack Nicholson
出演 ランディ・クエイド Randy Quaid
出演 オーティス・ヤング Otis Young
出演 クリフトン・ジェームズ Clifton James
出演 キャロル・ケイン Carol Kane
出演 マイケル・モリアーティ Michael Moriarty