公開日 2021/9/17 152分
★★★★★★ 6.0
瀧内公美の魅力溢れる作品。代表作にも数えられるだろう。
ただ、由宇子も天秤も個人的に映画のタイトルとして相応しいように思えない。
このタイトルから鑑賞意欲が湧かないのだ。
公開範囲も狭く期間も短く、その後はamazon限定だったので観ることができなかった作品だ。
ドキュメンタリー監督が主人公という、ドキュメンタリータッチ作品だけに、手持ちカメラの映像が多い。BGMはない。
自殺した少女の父親のインタビューのオープニングから、その経緯や撮影スタッフの姿勢、敏腕さが上手く表現されている。
そして、仕事では正義を追っていた主人公が、突然に身内の事件によりプライベートでは大きく方向が転換することになる。
謝罪することを望む父親に対して、真実を明かすことで「司法的には正しくても社会が許さない。失うものが大き過ぎる」と、現実を示す。
これは、主人公が医師から言われる「言ってることがアベコベ」で説明されている。
カンニングを公然と指摘する父親と、そのやり方を理解しながらも取らない主人公の違いだ。
天秤はあちこちに。
制作中の番組と教え子の容体。
制作中の番組では加害者側とされる家族と被害者側とされる家族。どちらも当の加害者、被害者は既にいない。
教え子の加害者と被害者。単純には加害者=悪で、被害者=善であるはずが、加害者の謝罪を許さず、被害者にも落ち度的なものが見え隠れする。
主人公は正義を選んだ。それにより物語の方向性は決まったわけだが、ラストに主人公に下される行為は、自業自得にも見え、天秤に乗っていたものはすべて崩れたように見えるが、現実はなにも解決していない。
回収されずに取っ散らかった印象のラストが「おいおい。」という思いにはなる。
原題 由宇子の天秤
製作国 日本
製作 高崎フィルム・コミッション
配給 ビターズ・エンド
監督 春本雄二郎 Harumoto Yujiro
製作 春本雄二郎 Harumoto Yujiro
製作 松島哲也 Matsushima Tetsuya
脚本 春本雄二郎 Harumoto Yujiro
撮影 野口健司 Noguchi Kenji
美術 相馬直樹 Souma Naoki
衣装デザイン 星野和美 Hoshino Kazumi
編集 春本雄二郎 Harumoto Yujiro
出演 瀧内公美 Takiuchi Kumi
出演 河合優実 Kawai Yuumi
出演 梅田誠弘 Umeda Masahiro
出演 松浦祐也 Matsuura Yuya
出演 和田光沙 Wada Misa
出演 池田良 Ikeda Ryo
出演 木村知貴 Kimura Tomoki
出演 前原滉 Maehara Kou
出演 丘みつ子 Oka Mitsuko
出演 光石研 Mitsuishi Ken