
公開日 2021/02/26 124分
★★★★★★ 6.0
「あのこは貴族よ」って言葉は一般的に悪口だろう。
格差や分断を煽る言葉なのだが、よくある言葉に感じる。違和感がない。
東京には地域格差が歴然とあるらしい。
いや、東京と地方の間にも歴然とある。
地方にだって格差はある。学歴の格差、財力や権力の格差だって歴然とある。
「世の中には、女同士を分断する価値観みたいなものが、あまりにも普通にまかり通っている」 「女同士を分断させようとしてくるけど、分断なんてする必要はない。」
貴族であることに何の苦悩もなかった主人公が結婚を機に自我に目覚める。
貴族には貴族の苦悩があることが丁寧に描かれる。
とはいえ現実は、自転車移動の水原希子とタクシー移動の門脇麦。
自己の望みを掴み易いのは貴族だろう。
また『愚行録』で描かれた対立もまた嘘ではないと思う。
親をトレースする人生を否定し、自分の生き方を模索する山下リオが魅力的だが、ちょっとステレオだな。
回り道を経て、自分らしい望みに目覚めた門脇麦と水原希子は結局は同類だと描かれる。
対立する必要なんてないと謳う本作は、「今」の寛容の到達点か、ファンタジーか。
原題 あのこは貴族
製作国 日本
製作 バンダイナムコアーツ
製作 東京テアトル
製作 集英社
配給 東京テアトル
配給 バンダイナムコアーツ
監督 岨手由貴子 Sode Yukiko
原作 山内マリコ Yamauchi Mariko
脚本 岨手由貴子 Sode Yukiko
撮影 佐々木靖之 Sasaki Yasuyuki
美術 安宅紀史 Ataka Norifumi
編集 堀善介 Hori Zensuke
出演 門脇麦 Kadowaki Mugi
出演 水原希子 Mizuhara Kiko
出演 高良健吾 Takara Kengo
出演 石橋静河 Ishibashi Shizuka
出演 山下リオ Yamashita Rio