公開日 2021/02/26 104分
★★★ 3.0
伝説のギャング、アル・カポネ。
映画では、『アンタッチャブル』のデ・ニーロや『スカーフェィス』のパチーノが思い浮かぶが、本作はギャング映画ではない。
なのでそこを期待すると肩透かしを食らうことになる。そういえば、カポネの晩年って知らないな。
『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランドのような晩年、トマト畑も思い出したが、こちらは酷い。
本作の彼は長期の服役後の晩年、没落と老醜が描かれる。 認知症が悪化した主人公による妄想と現実が混濁したシーンは、どちらがそれとは判るものの、決して楽しめるものではない。
妄想には意思や後悔などを発露とした悲哀もなく、この人物が元来持つと思われる凶暴性や猜疑心のみが現れる。
『スカーフェイス』よろしく金ピカのマシンガンを撃ちまくるシーンも、何のカタルシスも呼び起こさない。
映画で、意思もない認知症の妄想に付き合わされるのは辛いこと、この上ない。
池に落ちた主人公の股座にワニがいて、そこ大波が一気に押し寄せて池がひっくり返ると別の穏やかな緑の世界に変わっているなんて表現はヨカッタ。
決して平安のない主人公の本作には合わないけど。
稀代の悪党の末路はこんなに惨めだったと言わんばかりの、深く刻まれた傷と梅毒の影響が出た顔、脱糞を繰り返した後のオムツ姿。
葉巻代わりの人参を咥えた姿には、ユーモラスさえなく、貶める意図以外には汲み取れない表現だ。
隠し財産は結局見つからず、注意を惹くための嘘に思える。
再三出てくる隠し子は結局何の暗示だろう。
稀代の悪党は引き継がれるという意味か、稀代の悪党の魂でも救われるものがあるという意味か。
死神か、天使か。
トム・ハーディは熱演なんだろうけど、この作品では可哀想。
マット・ディロン、カイル・マクラクランは久し振り。
奥さん役は『グリーンブック』の奥さん役。
原題 CAPONE
製作国 アメリカ
製作国 カナダ
製作 BRON Studios
製作 A Band Apart
製作 Addictive Pictures
配給 アルバトロス・フィルム
監督 ジョシュ・トランク Josh Trank
脚本 ジョシュ・トランク Josh Trank
撮影 ピーター・デミング Peter Deming
編集 ジョシュ・トランク Josh Trank
音楽 El-P El-P
出演 トム・ハーディ Tom Hardy
出演 リンダ・カーデリーニ Linda Cardellini
出演 ジャック・ロウデン Jack Lowden
出演 カイル・マクラクラン Kyle MacLachlan
出演 マット・ディロン Matt Dillon