ドミノ 復讐の咆哮

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公開日 2020/02/14  89分


★★★ 3.0


デ・パルマ印への期待はものの見事に裏切られた。
これは酷い。

冒頭から主人公刑事のドジさが半端ない。
銃を自宅に忘れる。相棒から借りた銃は落としてしまう。
で、その相棒を襲った犯人には逃げられる。

ここから主人公の悔恨を発露とした追跡劇かと思いきや、物語は意外な展開を見せる。
犯人の追跡劇に相棒の不倫劇、犯人と国際テロ組織ISISの関係、CIAの関与と絡めていくが、どれもこれも効果をあげない。
銃を「車に忘れた」と、わけも解らない言い訳をする主人公には何の感情移入もできないし、同行する女刑事の行動原理は相棒への復讐だ。

暴行相手の首を切り落としたり、沸き立つ鍋に顔を入れたり残忍の限りを尽くす犯人に宗教的背景は薄く、それを利用しようとするCIAもマヌケときている。

主人公に敏腕さカケラもなければ、ISISのテロを封じた結末には問題の決着も爽快感もない。
闘牛場の売り子に化けたテロリストも、ドローンが突き刺さる犯人も、頭悪すぎ弱すぎで唖然とする。

映像の魔術師と謳われた監督の緊張と興奮に満ちた演出はどこにいった?
老齢とともに失せたと思ってしまうのが、あまりにも悲しい。
『殺しのドレス』『アンタッチャブル』は遠くになりにけり・・・。

原題  DOMINO

製作国 デンマーク
製作国 フランス
製作国 イタリア
製作国 ベルギー
製作国 オランダ
製作 Backup Media
製作 Saban Films
製作 Schønne Film
配給 トランスフォーマー

監督 ブライアン・デ・パルマ Brian De Palma
脚本 ペッテル・スカヴラン Petter Skavlan
撮影 ホセ・ルイス・アルカイネ Jose Luis Alcaine
プロダクションデザイン コーネリア・オット Cornelia Ott
編集 ビル・パンコウ Bill Pankow
音楽 ピノ・ドナッジオ Pino Donaggio

出演 ニコライ・コスター=ワルドー Nikolaj Coster-Waldau
出演 カリス・ファン・ハウテン Carice van Houten
出演 ガイ・ピアース Guy Pearce
出演 ソーレン・マリン Søren Malling