ミッドナイト・ラン

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公開日 1988/12/10  126分


★★★★★★ 6.0


その昔、『ニュース・ステーション』というTV番組があり、ゲスト出演したロバート・デ・ニーロに、司会の久米宏が質問したことがある。
『出演作中で一番気に入っているのは何か?』と。
その答えが『ミッドナイト・ラン』だった。
訊く方も訊く方だが、答える方も答える方だ。
当時でも既に華麗な出演歴を誇るデ・ニーロの答えは、ある意味意外で映画ファンの間で波紋を呼んだものだ。
久米宏、この一点だけでお前はスゴイよ。

さてその内容は重厚なドラマでもなければ、ショッキングなドラマでもない、肩に力が入らない軽快で陽気なコメディタッチのアクションだ。
70~80年代アメリカのロードムービーならでは大らかさもあり、楽しませて最後にはジンと来る上手さもある。

PGやRの対象になるような過激なシーンはないので家族向けでもある。
昔流行った2大スターの競演、掛け合い映画の作りで、相方のチャールズ・グローディンは、脇役が殆どでしかもコメディタッチを得意としているせいか、日本では馴染みがないものの素晴らしくいい味を出している。
監督は職人、名監督マーティン・ブレスト。

この軽さ、面白さも確かに映画の魅力の一つであり、そんな中でも本作は洗練された一作である。
とはいえ、映画ファンにとっては、デ・ニーロの代表作といえば、どうしてもヘヴィな作品であったり、異常者的な役柄を選びがちになり、作品としての評価は分が悪い。
軽いアクションを主とする俳優ならもっと作品の評価は上がるのだろうが、そうなれば作品自体のレベルが落ちてしまうだろうし・・・ああ難しい。

なにはともあれ、デ・ニーロファンならずとも必見の一作だ。

原題  MIDNIGHT RUN

製作国 アメリカ
製作・配給 Uni=UIP

監督 マーティン・ブレスト Martin Brest
製作 マーティン・ブレスト Martin Brest
製作総指揮 ウィリアム・S・ギルモア William S. Gilmore
脚本 ジョージ・ギャロ George Gallo
撮影 ドナルド・ソーリン Donald Thorin
音楽 ダニー・エルフマン Danny Elfman

出演 ロバート・デ・ニーロ Robert DeNiro
出演 チャールズ・グローディン Charles Grodin
出演 ヤフェット・コットー Yaphet Kotto
出演 ジョン・アシュトン John Ashton
出演 デニス・ファリナ Dennis Farina
出演 ジョー・パントリアーノ Joe Pantoliano
出演 ロイス・スミス Lois Smith
出演 フィリップ・ベイカー・ホール Philip Baker Hall
出演 ロバート・ミランダ Robert Miranda