抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-

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公開日 1957/07/20  100分


★★★★★ 5.0


この当時のリアルな脱出劇。
冒頭、刑務所への送致する車から逃げようとするエピソードが描かれる。
刑務所に運び込まれればノーチャンスなので、警備の車が追尾しているにも関わらず逃げようとする心理は解るが、余りにも無謀だ。
その一方で、刑務所からの脱走計画は石橋を叩き過ぎるほどの臆病さも見せる。
脱走の計画を進めながらも、死刑を言い渡されるまで、実行に移そうとしない。
死刑確定後に元の部屋に戻されるのか分からないことを考えれば、早く進めない理由が解らない。
この辺り、揺れ動いているであろう心理が描かないため、かなり焦れったく感じる。
主人公の背景も描かれないため、ナチスドイツという絶対悪が、主人公の二枚目に感情移入できる唯一の理由となる。

窓の外の囚人と物々交換ができるなど、当時の警備の緩さの中、音楽もなく遅々とした実行計画、同室者が現れる唐突さにリアルさは感じるものの、現代のドラマチックさはない。


原題 UN CONDAMNE A MORT S'EST ECHAPPE OU LE VENT

製作国 フランス
製作 Gaumont
製作 Nouvelles Éditions de Films
配給 新外映 

監督 ロベール・ブレッソン Robert Bresson
原作 アンリ・ドヴィニ Andre Devigny
脚本 ロベール・ブレッソン Robert Bresson
撮影 レオンス=アンリ・ビュレル Leonce-Henri Burel
音楽 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト Wolfgang Amadeus Mozart

出演 フランソワ・ルテリエ Francois Leterrier
出演 シャルル・ルクランシュ Charles Leclainche
出演 モーリス・ビーアブロック Maurice Beerblock
出演 ローラン・モノ Roland Monod
出演 ジャック・エルトー Jacques Ertaud