ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間

店舗イメージ

公開日 1992/05/16  135分


★★★★ 4.0


『ツイン・ピークス リターンズ』(Event Limited Edition)を観た後での鑑賞。
なので公開の時系列とは異なる。
もとより、本筋と離れたエピソードも多く、”遊び”的な表現や、作家の個性的な描写などが重なり、完全に理解できる作品群ではない。
ただ、理解は出来なくとも魅力的な作品もある訳で、私にとっては本作もそれに当たる。
印象的なテーマ曲から始まらないオープニングはローラー・パーマーが亡くなる1年前=序章であって、ローラー・パーマーが現れる=7日前になってようやくテーマ曲が流れる。
テーマ曲によって、物語に真っ直ぐに入り込める、またその世界観に浸れるという効果の際たるものがこの『ツイン・ピークス』シリーズだろう。
まあ、エグいおばちゃんの顔芸で始まる謎解きからして「リンチ・ワールド」ではあるのだが。

映画版ならではの豪華キャストだが、その必要性はないと思う。デヴィッド・ボウイも、キーファー・サザーランドもチョイ役並みの出演だ。
デヴィッド・ボウイは以後キー・パーソンとして扱われるが、ドナルド・サザーランドは思い出されることもない。
テレビシリーズが始まる前の時代設定、所謂シリーズ・ゼロのため、「テレビシリーズを観ていなくても大丈夫」と思った観客は痛い目に合う。「一見さんお断り」作品である。それと共に、超ゆったりとした間合いが続く果てに、謎解きの結末があるわけでもない。

テレビシリーズのブームから何となく映画版だけ観た日には、エラいことになる。
作品の理解は進まなくても、駄作のレッテルは理解ができる映画版作品。


原題 TWIN PEAKS: FIRE WALK WITH ME

製作国 アメリカ
製作 New Line Cinema
製作 CiBy 2000
製作 Lynch/Frost Productions
配給 日本ヘラルド

監督 デヴィッド・リンチ David Lynch
製作総指揮 デヴィッド・リンチ David Lynch
製作総指揮 マーク・フロスト Mark Frost
脚本 デヴィッド・リンチ David Lynch
脚本 ロバート・エンゲルス Robert Engels
撮影 ロン・ガルシア Ron Garcia
美術 パトリシア・ノリス Patricia Norris
衣装 デザイン パトリシア・ノリス Patricia Norris
音楽 アンジェロ・バダラメンティ Angelo Badalamenti

出演 カイル・マクラクラン Kyle MacLachlan
出演 デヴィッド・ボウイ David Bowie
出演 キーファー・サザーランド Kiefer Sutherland
出演 デヴィッド・リンチ David Lynch
出演 シェリル・リー Sheryl Lee
出演 レイ・ワイズ Ray Wise