
公開日 2017/09/22 97分
妙な物語だ。
無人島に流れ着いた男。
絶望の末に死を選んだ瞬間、漂着した死体に気がつく。
この死体(ダニエル・ラドクリフ)が、十得ナイフ(スイス・アーミー・ナイフ)のように役に立つ。
体内ガスの噴出=おならでジェットスキーのように海を渡れる。
げっぷで鳥や獣を撃てる。
飲料水まで出る。
言葉を発し孤独を癒やしてくれる。
だが中盤から死体がマジで話し始める。
「これは主人公の脳内世界(幻覚)か?」とも思ったがそうではないらしい。
とはいえ生き返ったわけでもなく、記憶がないなど、所謂ゾンビ状態だ。
死者を道具として扱うことや、死者と生者の境界が不明瞭さを受けつけない観客も少なくないだろう。
いきなり主人公の故郷に辿り着く展開も不可解だ。
主人公の父親との確執も舌足らずで曖昧なまま終わらせている。
情緒を煽る音楽は強烈だが、主人公の内部表現においてはまだしも、ラストの周囲の者たちは置いてけぼりだ。
結局、生きていることは「意識の繋がり」で、意識の持ちよう次第で、絶望も挫折もコンプレックスも、どうにでもなるというテーゼは良かった。
死者から生きることを学ぶという着想も面白いと思う。 昔なら主人公二人の配役は逆だったんだろうと思ったりする、この配役は嬉しい。
内気でオタクっぽい役はボール・ダノのハマり役。
最近、"何でもやる"ラドクリフは気になる俳優だ。
原題 SWISS ARMY MAN
製作国 アメリカ
製作 Astrakan Films
製作 Blackbird
製作 Cold Iron Pictures
製作 Prettybird
製作 Tadmor
配給 ポニーキャニオン PONY CANYON INC.
監督 ダニエル・シャイナート Daniel Scheinert
脚本 ダニエル・シャイナート Daniel Scheinert
脚本 ダニエル・クワン Daniel Kwan
撮影 ラーキン・サイプル Larkin Seiple
プロダクションデザイン ジェイソン・キスヴァーデイ Jason Kisvarday
衣装デザイン ステファニー・ルイス Stephani Lewis
音楽 アンディ・ハル Andy Hull
音楽 ロバート・マクダウェル Robert McDowell
出演 ポール・ダノ Paul Dano
出演 ダニエル・ラドクリフ Daniel Radcliffe
出演 メアリー・エリザベス・ウィンステッド Mary Elizabeth Winstead