華麗なるヒコーキ野郎

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公開日 1976/03/13  108分


★★★★★★ 6.0


傑作『明日に向って撃て』を彷彿させるジョージ・ロイ・ヒル監督作品。
切ないピアノの音楽とセピア色の写真から始まるオープニングから哀愁が漂う。
第一次世界大戦後、生き残ったパイロット達は田舎で客を乗せたり曲乗りをして稼いでいた。
レッドフォード演じる若い主人公は、若く才能溢れるものの、大戦に乗り遅れたパイロットである。
伝説的な空中戦に自分を重ねて吹聴しているものの、時代に乗り遅れた者の寂寥感を漂わせている。
それは歴史上最後のアウトロー(賞金首)となったブッチとサンダンスに重なる。

登場人物は概ね若く命知らず。命の軽さは大戦後の影響があるのか時代の風潮なのか。
大空を自由に駆ける暮らしの中、事故が続いて仲間たちを失う。
ただ、片翼に載せたままではバランスが崩れるのなら、レッドフォードは助けに行かずに、もう片翼に行けばバランスが取れるのではないのか?
それでも、空を自由に飛ぶことを生き方とした者たち。
「空に道を作るのか!」と呆れ怒れるほどに。
そうだよ、今は空にも道があるんだ。
命が重くなるにつれて、規制も強くなったんだ。それは個々の自由を抑えるものであったかもしれない。

ジョージ・ロイ・ヒルらしい懐古調ではあるが、そこの価値観への一定の憧れは抱いてしまう。

CGもない時代の空中撮影に目を見張る。
ヒコーキ野郎さながらのスタッフの心意気にも胸を打たれる。

個人的にタイトルはいただけない。
『素晴らしきヒコーキ野郎』がどうしてもチラついてしまう。
前作の THE GREAT GATSBY = 華麗なるギャツビー の邦題は素晴らしいと思う。
本作の原題 THE GREAT WALDO PEPPER 自体が前作にあやかっている気がするが、”ヒコーキ野郎“”がどうしても…。

原題 THE GREAT WALDO PEPPER

製作国 アメリカ
製作 Jennings Lang Productions
製作 ユニバーサル映画 Universal Pictures
配給 ユニバーサル映画 Universal Pictures
配給 CIC 

製作 ジョージ・ロイ・ヒル George Roy Hill
原案 ジョージ・ロイ・ヒル George Roy Hill
脚本 ウィリアム・ゴールドマン William Goldman
撮影 ロバート・サーティース Robert Surtees
美術 ヘンリー・バムステッド Henry Bumstead
衣装デザイン イーディス・ヘッド Edith Head
編集 ウィリアム・レイノルズ William Reynolds
音楽 ヘンリー・マンシーニ Henry Mancini

出演 ロバート・レッドフォード Robert Redford
出演 ボー・スヴェンソン Bo Svenson
出演 スーザン・サランドン Susan Sarandon
出演 ジェフリー・ルイス Geoffrey Lewis
出演 マーゴット・キダー Margot Kidder
出演 ボー・ブランディン Bo Brundin
出演 エドワード・ハーマン Edward Herrmann
出演 フィリップ・ブランズ Philip Bruns