
公開日 2017/11/03 135分
巷の評価はあまり芳しくないものの、"ホラー映画の『スタンド・バイ・ミー』"なんて評もあり、たまにホームランのあるスティーブン・キング原作なので、それなりに期待しての鑑賞。
ひと夏の少年達の物語であることや、主人公が兄弟を失くしていること、年上の不良に目を付けられていることなど、確かに設定に『スタンド…』との共通点は多い。
多感な成長期ならではの感傷的な表現も多い。 だがこちらはあくまでホラー。
人間でもない正体不明の怪物(ピエロ)が作品自体に大きくのしかかっており、全く異なる作品と思った方がいい。
終盤はこの怪物との攻防が主軸であるが、"恐怖"が大きなファクターであり、 この怪物は"恐怖"につけ込む能力があり、且つ"恐怖"が好物らしい。
その反動か、少年達が恐れなくなると途端に怪物が弱くなる。
なぜ27年毎に現れるのか、なぜピエロの扮装なのか、などの論理的な説明は一切ない。楽しい筈のピエロが怪物に変化する恐さの割増しを狙っているだけとも思う。
少年達に女子が紛れ込んでいるのが『スタンド…』との違いで、異性への興味や恋の甘酸っぱさも散りばめられているものの、ベースが非現実的なホラーなので、何を織り込んだところで非現実の枠から逃れることはできない。
なので『スタンド…』に描かれた、遠くへの憧れ、死への恐怖、仲間への共感などの、誰もが少年時代に感じた普遍的な感覚は限定的だ。
ホラーとしての怖さは薄く、怪物の異形さは映像で際立たせても、登場シーンなどは古典的。
ただ個人的には、残酷描写やびっくりさせる描写がないのは好ましく思う。
原題 IT
製作国 アメリカ
製作 New Line Cinema
製作 RatPac Entertainment
製作 Vertigo Entertainment
配給 ワーナー・ブラザース映画
監督 アンディ・ムスキエティ Andy Muschietti
製作 ロイ・リー Roy Lee
製作 ダン・リン Dan Lin
製作総指揮 デイヴ・ノイスタッター Dave Neustadter
製作総指揮 ウォルター・ハマダ Walter Hamada
原作 スティーヴン・キング Stephen King
脚本 チェイス・パーマー Chase Palmer
脚本 キャリー・フクナガ Cary Fukunaga
脚本 ゲイリー・ドーベルマン Gary Dauberman
撮影 チョン・ジョンフン Chung Chung-hoon
プロダクションデザイン クロード・パレ Claude Pare
編集 ジェイソン・バランタイン Jason Ballantine
音楽 ベンジャミン・ウォルフィッシュ Benjamin Wallfisch
音楽監修 デイナ・サノ Dana Sano
出演 ジェイデン・マーテル Jaeden Martell
出演 ビル・スカルスガルド Bill Skarsgard
出演 ジェレミー・レイ・テイラー Jeremy Ray Taylor
出演 ソフィア・リリス Sophia Lillis
出演 フィン・ウォルフハード Finn Wolfhard
出演 ニコラス・ハミルトン Nicholas Hamilton
出演 スティーヴン・ボガート Stephen Bogaert
出演 モリー・アトキンソン Molly Atkinson