公開日 2016/09/17 112分
佐藤泰志の映画化作品としては『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』に続く「函館3部作」の最終章とされている。
『海炭市叙景』は見ていないが、『そこのみにて光輝く』と本作に見る函館の寂れた貧しい雰囲気はどうだろう。
まだ本作は『そこのみにて』ほどではないが。
行ったことがないのだが、観光地の印象からはかけ離れた、このような街なのだろうかという印象だ。
冒頭のシーンで一瞬刑務所か？と思ったが、刑務所で喫煙できるはずもなく、やがて職業訓練校だと解る。
だが、そこかしこにある緊張感と距離感から刑務所を彷彿させる感覚は不思議ではない。
まったく異なる世界でも、似た空気はあるのだろう。
演者は総じて好演だ。満島真之介や優香だっていい感じ。
しかし何と言っても本作のカラーは蒼井優によって彩られる。
蒼井優演じる聡はエキセントリックという表現が正しいのか、壊れたどこかと引き換えに、一途で純粋なものを持っている。
聡の魅力の危うさこそがこの作品の肝だ。
蒼井優はその危うさをうまく表現していると思う。
既にどんづまり状態のオダギリジョー演じる主人公であるが、ラストの一撃でオーバーフェンスを成し遂げる。
ただ、その後もいくつものフェンスが待ち受けているのも確かだ。
そうであっても、ラストの爽快感、後味の良さは山下敦弘監督の持ち味なのだろう。
製作国 日本
製作 「オーバー・フェンス」製作委員会
製作 TCエンタテインメント TC Entertainment, Inc.
製作 TBSサービス TBS Service, Inc.
製作 アイリス
製作 東京テアトル Tokyo Theater
配給 東京テアトル Tokyo Theater
配給 函館シネマアイリス
監督 山下敦弘 Yamashita Nobuhiro
製作 永田守 Nagata Mamoru
製作 菅原和博 Sugawara Kazuhiro
プロデューサー 星野秀樹 Hoshino Hideki
原作 佐藤泰志 Satoh Yasushi
脚本 高田亮 Takada Ryo
撮影 近藤龍人 Kondo Ryuto
美術 井上心平 Inoue Shinpei
編集 今井大介 Imai Daisuke
音楽 田中拓人 Tanaka Takuto
出演 オダギリジョー Odagiri Jyo
出演 蒼井優 Aoi Yu
出演 松田翔太 Matsuda Syota
出演 北村有起哉 Kitamura Yukiya
出演 満島真之介 Mitsushima Shinnosuke
出演 松澤匠 Matsuzawa Takumi
出演 鈴木常吉 Suzuki Tsunekichi
出演 優香 Yuka