
公開日 2014/04/19 120分
これはリアルタイムの物語なのだろうか。
一見、最近の物語のように見える。
原作は1985年に書かれた小説で、当時の地方ならあり得る設定だろう。
だが今現在でこの設定はキツい。
今、こんな売春婦いるか?
池脇千鶴の器量と若さならもっと稼ぐ手があるだろう、とか。
今、ここまで社会から見放された家族いるか?
もう少し社会補償が働くだろう、とか。
今の若者にこのリアリティは受け入れられないと思う。
ある年齢以上の年配者、特に地方出身者には懐古な情緒を伴って受け入れられるだろう。
昔はこんな風景が異常ではなかった。
さて、総中流化という言葉さえ死語になった今、家族の繋がりは、一般的には確かに明るく強い絆である筈なのだが、社会からこぼれ落ちた家族には負の繋がりでしかない。一人の過ちが互いに足を引っ張りあい、あがいても、沼に沈むようにみんなが沈んでいく。ここでは、本来プラスに働くべき愛情や優しさが裏目に働き、逃れることができない。
ここまでも、と思わせるほどの落伍の構図は、しがないライターや評論家受けする題材だと思う。
高い評価もその所以かもしれない。
愛や金などのしがらみに沈んだ主人公を池脇千鶴が好演。昔から上手い女優さんだとは思っていたが、本作でも素晴らしい演技を見せる。綾野剛、菅田将暉も作品に馴染んだ演技が上手い。
暗い暗い作品だが、昔話のように思えるが、嫌いじゃない。主人公たちの想いに至せば、同調してしまう作品だった。
製作国 日本
製作 「そこのみにて光輝く」製作委員会
製作 TCエンタテインメント
製作 スクラムトライ
製作 函館シネマアイリス
製作 TBSサービス
製作 ひかりTV
製作 ギャンビット
製作 TBSラジオ
製作 太秦
製作 WIND WIND
配給 東京テアトル Tokyo Theater
配給 函館シネマアイリス
監督 呉美保 O Mipo
製作 永田守 Nagata Mamoru
製作 菅原和博 Sugawara Kazuhiro
プロデューサー 星野秀樹 Hoshino Hideki
エグゼクティブプロデューサー 前田紘孝 Maeda Hirotaka
原作 佐藤泰志 Satoh Yasushi
脚本 高田亮 Takada Ryo
撮影 近藤龍人 Kondo Ryuto
美術 井上心平 Inoue Shinpei
編集 木村悦子 Kimura Etsuko
音楽 田中拓人 Tanaka Takuto
出演 綾野剛 Ayano Gou
出演 池脇千鶴 Ikewaki Chizuru
出演 菅田将暉 Suda Masaki
出演 高橋和也 Takahashi Kazuya
出演 火野正平 Hino Shouhei
出演 伊佐山ひろ子 Isayama Hiroko
出演 田村泰二郎 Tamura Taijirou