
公開日 1989/3/4 108分
砂漠を行く流れ者がふと立ち寄った家。
決して満ち足りてはいない、何もないその家で過ごす時間の中で、次第に育まれる暖かみや優しさ。
渇いた心を潤すように、疑似家族が形成されていく物語は、かつてのウェスタンを彷彿させる。
だが本作の個性は主人公のキャラクターであり、それを生かした、ハッピーエンドへと向かう展開だろう。
主人公はその肥満に似つかわしくないフリフリの衣装。
それでいて、デブ専でない私でも感じる妙な可愛さ、あどけなさが魅力的だ。しかも、ジャスミンって。
オープニングの偏った映像から感じる嫌な嫌な女のイメージが、次第に解けてゆくのは作り手の計算なのだろう。
バグダッド・カフェの女主人と同様に、観客も警戒心を持ってこの主人公を招くことになる。
これらの登場人物が次第にお互いを理解していく過程こそが本作の真髄なのだが、坦々とした眠気を覚えるテンポはちょっと辛い。
戻ってくるはずのブーメランが墜ちてしまうシーン。
何もない筈の砂漠を工夫を凝らして映し、繰り広げられる映像はすこぶる楽しい。
期待のなさを軽く裏切った作品だ。
原題 BAGDAD CAFÉ
製作国 西ドイツ
製作 ETT
製作 フィルム・GPIZ
製作 MITプロジェクト
製作 UDB
製作 ハッセン・ランドフンク
配給 KUZUIエンタープライズ
監督 パーシー・アドロン Percy Adlon
製作 パーシー・アドロン Percy Adlon
製作 エレオノール・アドロン Eleonore Adlon
脚本 パーシー・アドロン Percy Adlon
脚本 エレオノール・アドロン Eleonore Adlon
撮影 ベルント・ハインル Bernd Heinl
音楽 ボブ・テルソン Bob Telson
主題歌 ジェヴェッタ・スティール Jevetta Steele
出演 マリアンネ・ゼーゲブレヒト Marianne Sagebrecht
出演 ジャック・パランス Jack Palance
出演 CCH・パウンダー CCH Pounder
出演 クリスティーネ・カウフマン Christine Kaufman
出演 モニカ・カルフーン Monica Calhoun